確定申告【かくていしんこく】
納税者自身が自分の所得や税額を税務署に申告することです。例年、2月中旬から3月中旬にかけて行われます。不動産の取得や売却で「住宅取得資金贈与の特例」「住宅取得促進税制」「3000万円特別控除」「居住用財産の買い換え特例」などの特例を利用した時は、確定申告で手続が必要となります。一般の確定申告に先駆けて申告できるものもあります。
角地【かどち】
隣接する二以上の辺が、それぞれ別路線の道路に接する区画の土地。こ れに対して相対する二辺が、それぞれ道路に接する区画の土地の状況を
二方道路ということがある。これらはいずれも値付けをするうえで増額要因 になるとされている。
角ログハウス【かくろぐはうす】
→ログハウス
崖地【がけち】
画地条件のひとつ。鑑定評価では、その傾斜度が大きく、通常の方法・費用では、近隣地域の標準的使用、たとえば宅地地域にあっては建物の敷地としての使用が不可能
または著しく困難な土地を崖地(法地)といっています。崖地が単独で使用されることは少なく、通常は平坦地部分に付随する部分として、たとえば、平坦な宅地の庭先に崖地があるという形で使用されています。その場合、平坦地部分から境界方向へ下っている下り崖地と、その逆の上り崖地があります。下り崖地については、そのまま庭として使用できる場合には減価は少ないです。ピロティなどで支える人工地盤を構築して平坦地に準ずる使用ができ、これが合理的な場合は、そのための費用を控除した価額をもとにして評価されます。また、下り崖地を含むことから、眺望、日照、通風などにプラスとなる面もあります。また、崖地は、強雨・地震などで崩壊する危険性があり、斜面勾配30度を超える崖地については、その崖高の2倍以内の距離の位置に建築物を建築するなどの場合には、所定の擁壁を設置しなければならないなどの規制が県条例等で定められています。なお、崖地部分も、建築基準法上の建ぺい率、容積率の算定の基礎となる面積に含まれます。
筧・掛け樋【かけひ】
手水鉢に水を導く仕掛けのことです。水が通るようにした竹から流れ落ちる水の音が和風の庭に風情をもたらします。
瑕疵【かし】
欠点のあること、法律や当事者が予想する正常な状態の欠けていることの意味です。瑕疵ある意思表示、瑕疵ある占有、瑕疵担保、手続の瑕疵というように用いられます。
瑕疵担保責任【かしたんぽせきにん】
売買契約の目的物である宅地または建物に、契約の締結当時にすでに瑕疵があった場合には、その瑕疵が隠れたものであれば売主は、故意過失などを問題とせず民法上その瑕疵を担保する責任を負わされることになっていますが、これを売主の瑕疵担保責任とよんでいます。負うべき事とされる責任の内容は、民法570条において準用されている566条において規定されていますが、買主は、売買の目的物に瑕疵を発見したときから、1年以内に損害賠償を請求でき、その瑕疵のために売買の目的を達し得ない場合には、契約を解除することもできることとされています。しかし、宅地建物の売買においては、このような瑕疵担保責任に関する民法の原則に比べて買主に著しく不利になることも考えられるので、宅地建物取引業法40条では、このような買主に不利な特約を制限することとしています。同条は、業者は、自ら売主となる宅地または建物の売買契約において、その売買の目的物に瑕疵があったときの売主の責任について定めようとするときは、瑕疵担保責任を負うべき期間についての定めを除いて、民法570条において準用する566条に規定するものにより買主に不利とする特約をしてはならないこととしています。このように、民法に定められているものより買主に不利となる特約については、この限りにおいて無効とされることになっていて、無効とされれば、まったく定めをしなかったものとして、民法の原則が適用になることとなっています。売主が瑕疵担保責任を負うべき期間については、民法の定めのように買主が隠れた瑕疵があるという事実を知った時から1年とせずに、物件の引渡しの日から2年以上となる期間を設定する特約をした場合、その特約は無効とされ、この場合には瑕疵担保責任を負うべき期間は2年となるのではなく、特約のない状態に戻るため、その期間は民法の原則のとおり、瑕疵を発見したときから1年となります。
過失【かしつ】
注意をすれば一定の事実を認識できたのに、不注意で認識しない心理状態、故意に対することばです。民法上は故意と区別する実益がないため、過失に故意を含む場合もあります。過失はその不注意の程度如何によって重過失と軽過失の二つに分けられます。社会共同生活の一員として要求される程度の注意、いわゆる善良なる管理者の注意を著しく欠くかどうかによる区別です。民法、商法で過失といえば軽過失で、重過失を標準とする場合には重大なる過失といいます。過失は不法行為の要件でもあり、債務不履行の要件である責に帰すべき理由の大きな部分を占めます。
過失相殺【かしつそうさい】
損害賠償額を決定する際に、債権者に過失が会った場合は公平の見地からその過失を考慮することをいいます。債務不履行の場合には、裁判所は必ず債権者の過失を斟酌しなければなりませんが、場合によれば債務者の責任を全免することもできます(民法418条)。不法行為の場合には、裁判所は被害者の過失を斟酌することはできません(民法722条の2)。不法行為の場合、被害者自信以外の者(監督義務者等)の過失も被害者側の過失として斟酌されることがあります。
家事動線【かじどうせん】
炊事や洗濯など家事をする時に人が動く経路のことです。プランによっては、家事動線の長い非効率な間取になります。
貸家およびその敷地【かしやおよびそのしきち】
同一の所有者に属する建物およびその敷地について当該建物の賃貸借が継続されている場合における当該建物およびその敷地をいいます。したがって、貸家およびその敷地とは、所有者以外の者によって現に使用収益されている建物および敷地で、敷地は建物の所有者の所有するものでなければなりません。貸家および敷地の価格は、賃料徴収権を基礎として成立するものと考えられていて、その鑑定評価額は、実際実質賃料に基づく純収益を還元して得た収益価格を標準とし、積算価格および比準価格を比較考量して決定します。この場合、?将来における賃料の改定の実現性とその程度、?契約にあたって授受された一時金の額およびこれに関する契約条件、?将来期待される一時金の額およびこれに関する契約条件、?契約締結の経緯、既往借家期間および残存期間ならびに建物の残存耐用年数、?貸家およびその敷地の取引慣行および取引利回り、?借家の目的、契約の形式、登記の有無、転借か否かの別、が総合的に比較考量されます。また、当該借家人が買い取る場合におけ
る貸家およびその敷地の鑑定評価においては、当該貸家およびその敷地の自用の建物およびその敷地となることによる市場性の回復などによる価値の増分が考慮されます。
かすがい【かすがい】
二つの材木をつなぎとめる為に打ちこむコの字型のクギのことです。
課税通知書【かぜいつうちしょ】
不動産を持っていると毎年、固定資産税や都市計画税がかかります。毎年1月1日減税の登記簿上の所有者に対して送られてくる、その年に支払う税額を知らせる通知書のことです。
課税標準【かぜいひょうじゅん】
課税計算にあたって、税率を乗じて税額を求める価額のことです。評価額ともいいます。 河川保全区域【かせんほぜんくいき】 河川区域に隣接する区域で、河岸または河川管理施設を保全するため河川管理者が指定したものをいいます。河川保全区域の指定は、必要最小限の区域に限って行うものとし、原則として河川区域の境界から50mを超えてはないとされています。河川保全区域内においては、土地の掘削、切土、盛土その他土地の形状の変更、工作物の新築または改築を行う場合には、河川管理者の許可を受けなければなりません。
河川予定地【かせんよていち】
河川工事の施行により新たに河川区域内の土地となるべき土地で、河川工事を施行するため必要があると認めて河川管理者が指定した土地をいいます。河川工事の円滑な実施を図るため、河川区域となる前においても河川予定地として指定することにより、その土地における河川工事の実施の支障となる行為を制限しようとするものです。河川予定地においては、土地の掘削、切土、盛土その他土地形状の変更、工作物の新設または改築を行う場合には、河川管理者の許可を受けなければなりません。なお、河川管理者が河川予定地内の土地について権限を取得した後においては、その土地は河川区域内の土地とみなされます。
過疎【かそ】
一般に過疎とは、人口の急激な減少によって、一定の生活水準を維持することが困難になったり、資源の合理的利用が困難となって地域の生産機能が著しく低下したりしている状態をいいます。過疎地域振興特別措置法(新過疎法)では、過疎地域を、国勢調査の15年間の人口減少率が20%以上でしかも最近3か年度の平均財政力指数が0.37未満の市町村の区域と定義し、比較的長期間の人口減少率をもって著しく人口減少がみられる地域をとらえています。
仮装売買【かそうばいばい】
売買の意思がないのに相手方と通謀して売買を仮装する行為です。虚偽表示あるいは仮装行為の典型的な例で、仮装譲渡の一種です。たとえば、Aが自己所有の不動産の差押を免れる為に、知人Bに頼んでその不動産をBに売ったことにし、登記をBの名義に移すような場合です。このような売買は無効ですが、当事者はその無効をもって善意の第三者(Bからさらに譲受けたCなど)には対抗できません(民法94条)。つまり、AはCにはその仮装売買の無効を主張して、不動産を取り戻す事ができないのです。第三者が保護されるためには、単に善意(仮装売買であることを知らないこと)であれば足りるのか、無過失が必要ではないのか、さらにその登記名義をも得ている必要があるのではないかが争点になります。判例、通説ではいずれも不要とし、善意を要求するのみです。
過疎地域【かそちいき】
比較的短期間のうちに大量の人口流出があって、地域経済や行政機能、祭祀や青年団活動などの社会生活の維持が難しくなった地域をいいます。法律上の指定要件は、財政力指数が0.44以下で、昭和30年の国勢調査から60年国勢調査の間に人口減少率20%以上かつ高齢者比率16%以上または若年者比率16%以下のいずれかの条件を満たす自治体とされています。
片流れ屋根【かたながれやね】
屋根の形状のひとつで、屋根の面が一方向だけで、もっとも単純な形の屋根です。小規模な山荘や物置に使われます。
勝手口【かってぐち】
住宅の表玄関とは別に、キッチンやユーティリティ部分からそとに出られる出入り口のことです。生ゴミを出したり、買い物をしてきた荷物を搬入するのに便利です。
合筆【ごうひつ】
二筆以上の土地を合わせて一筆の土地とすることをいいます。原則として土地の所有者(登記名義人)は自由に合筆を申請することができ、合筆申請を義務づけられたり、登記官の職権で行われたりすることはありません。当然ながら、所有者を異にする土地や、隣接していない土地は合筆できず、地目や地番区域を異にするときも合筆はできないと解されます。また、所有権の登記ある土地とない土地、所有権の登記および承役地である旨の地役権の登記以外の権利に関する登記ある土地も原則として合筆できないとされています。しかし、実体上1個の権利の目的であるとき、たとえば同一債権を担保するため甲乙両地に、それぞれ抵当権設定登記がなされている場合(共同抵当)などの両地の合筆は制限が緩和されています。
割賦販売【かっぷはんばい】
広義では、割賦払約款付売買と同義に用いられ、月賦販売のように買主がその代金を定期に分割して支払う事を約する売買をいいます。普通は割賦販売法上の割賦販売をさします。割賦払売買では多くの場合、売主が最初に目的物の引渡しをする一方、代金の支払期間は長期にわたるため、売主は、所有権留保約款(代金完済までは目的物の所有権を売主に留保する事を定めるもの)、期限の利益喪失約款(1回でも支払を怠ると契約は失効し、買主は目的物返還義務を負いますが、売主はすでに支払われた代金の返還は必要でないと定めるもの)などの特約をなすことが多く、売主に有利な反面、買主にとってはきわめて不利なことが少なくありません。そこでS36年に割賦販売法が制定され、諸種の法的規制がなされるに至っています。また宅地建物取引業法でも土地建物の割賦販売についての既成が行われています。
割賦販売法【かっぷはんばいほう】
S36年法率159号。割賦販売等に係る取引を公正にし、その健全な発達を図ることにより、商品の流通を円滑にし、国民経済の発達に寄与することを目的として制定された法律です。この法律で割賦販売とは、代金を2ヶ月以上の期間にわたり、3回以上に分割して受領する事を条件として、政令で定める指定商品を販売することをいいます。指定商品のなかに不動産は入っていません。割賦販売業者に対しては、割賦販売条件の表示義務、クーリングオフの負担、契約解除の制限、損害賠償額の制限等を課するほか、買主に先渡しされた商品の所有権は、代金の全部の支払がなされるまで割賦販売業者に留保されたものを推定する規定をおいています。また、通常の割賦販売のほか、前払式割賦販売・ローン提携販売・割賦購入斡旋・前払式特定取引についても、購入者保護の立場から種々の既成をしています。
可動間仕切り【かどうまじきり】
部屋と部屋の境目が壁ではなく、開閉できる間仕切りになっていることです。可動間仕切りを閉めれば部屋が独立し、開ければ広い空間になり、用途に応じて切り替えられます。
角地【かどち】
画地条件のひとつ。角に位置する画地、つまり正面および一方の側面が街路に接する画地をいいます。角地については建築基準法において建ぺい率の割増もあり、宅地としての有効利用度においても優れています。住宅地については日照・採光・通風において優れ、一般に東南の角地がもっとも高く評価されています。また、商業地については、正面および側方からの顧客を誘致できる等の利点を有しているので、その増加率は住宅地より高いとされています。鑑定評価においては、その角地が、その宅地の利用に具体的にどれだけの寄与をするのかということから、増加率を判定しています。路線式評価法では、地域別に加算率を定めた側方路線影響加算率表の係数により算定しています。
矩計図【かなばかりず】
建物の全体像を詳しく描いた垂直断面図のことです。屋根の形や材料、下地、各階の床や開口部、天井など各部の寸法と使用材料などが記入されています。
壁式構造【かべしきこうぞう】
ラ ーメン構造とは異なり、建物にかかる力をコンクリートの壁や床スラブなどで支える構造を壁式構造といいます。柱・梁がなく、主に3階?4階建の低層マンションに向いた構造とされます。ラーメン構造に比べると、梁が出ないため部屋自体はすっきりとしています。ただし、住戸内の部屋と部屋を区切る間仕切り壁にも建物を支えている壁(構造壁)があり、その分リフォームするときなどに制約を受けます。
框【かまち】
床の高さがかわるところで、高い床の方の端に渡す横木や、建具の四辺を固める部材のことです。畳については畳縁を付けていない短い辺を框といいます。
鴨居【かもい】
和室の障子や襖などの開口部の上部に取り付ける溝のついた横木のことです。開口部に引き続く壁面に、鴨居に合わせて化粧板を通してつける形を「付け鴨居」といいます。
カラーベスト【からーべすと】
住宅用屋根葺き材のひとつです。石綿とセメント・珪砂を混ぜて作る化粧石綿スレート葺きのことです。カラーベストは建材メーカーの商品シリーズ名ですが、俗称として呼ばれます。軽量で、対候性(風雨や日光など天候の変化に耐える力)も強く、耐震性に優れ、屋根材に適しています。
カラーベストコロニアル【からーべすところにある】
瓦の風合いと、金属板の軽量性を兼ね備えた屋根材です。和風住宅、洋風住宅ともによく使われます。
ガラスブロック【がらすぶろっく】
中が空洞で、低圧の空気が封入されている箱状のガラスです。普通のガラスより、遮音性や断熱性に優れています。採光を兼ねて壁面に使われたり、インテリアとして部屋と部屋のしきりに使われることも多いです。
ガラス保険【がらすほけん】
保険の目的であるガラスが、偶然な事故によって破損したことにより生ずる損害を填補するほか、臨時費用および残存物取片付け費用に対しても、一定範囲内で保険金が支払う保険です。ガラス保険の対象となるのは、(1)建物または付属建物に設置されているガラス(ショーウィンドウのガラス、ドアなど) (2)建物の常用に供する什器・備品に設置されているガラス(ショーケースのガラスなど) (3)ガラスに付属する枠・取っ手等(保険証券に明記する場合に限ります) です。したがって、ガラス屋に商品として保管されているガラスは対象となりません。保険金額は、保険の目的の時価相当額とし、原則的にガラス1枚ごとに設定します。時価額には、ガラスの取付に要した費用に加え、ガラスの表面に書く文字や、図画の費用も加算することができます。
ガラリ【がらり】
ブラインド状の羽根板を取り付けたものです。(小学校の校庭にある温度や湿度を測るための百葉箱の壁に取り付けてあったのがガラリです)ドア下部もしくはドア全体に付けられ、前者をドアガラリ、後者をガラリ戸もしくはよろい戸といいます。ガラリの長所は、視線や雨水などを防ぎながら通風をよくすることです。洗面所、浴室やクローゼットに多く用いられます。
カラン【からん】
水道の蛇口のことです。ガスホースの取付口のことを「ガスカラン」といいます。
仮換地【かりかんち】
土地区画整理によって、土地を変更されることを換地(処分)といいますが、この換地処分の前に、各地権者のために指定された仮の換地のことをいいます。土地区画整理事業において最終的な換地処分が行われるまでかなり長時間を要するので、その間各地権者に土地を割り当てて使用収益権を移動させる制度です。仮換地の指定があったときは、仮換地の上に従前の土地の権利義務関係はそのまま仮換地を対象としたものとして扱われます。従前の土地の使用収益権者は、仮換地の指定の効力発生の日から換地処分の公告の日まで、仮換地について従前の土地と同一内容の使用収益をすることができ、他方で従前の土地については使用収益ができなくなります。なお、仮換地がそのまま本換地とされることが多いです。
仮差押え【かりさしおさえ】
判決などの債務名義を取得する為には時間がかかるので、その間に浪費・隠匿などで債務者の財産が減少すると、債権者がせっかく債務名義を得ても強制執行ができないという場合が起こります。そこで、債権者としては、債務者の財産を現状のまま確保しておく事が望まれますが、こうした必要から金銭債権の将来の執行を保全する為になされる暫定的処置が仮差押えです(民事保全法20条以下)。仮差押えは裁判所の命令によって行われ、不動産の場合には、そのための登記がなされます。
仮差押えのある不動産【かりさしおさえのあるふどうさん】
金銭債権などによって仮差し押さえられた不動産はその旨が登記簿に記入されます。これらの不動産をあえて売買したり、担保の目的としても無効ではありません。その旨の登記もできます。しかし、債権者が適法に本執行まで手続をすすめると、仮差押のあとに権利や登記を得た者はこれに対抗できなくなり、不動産が競売されてその権利を保留できなくなります(民事執行法59条)。仮差押のある不動産をそれを知って買った場合には、買主は契約を解除することができますが、損害賠償の請求をすることはできません。
仮登記【かりとうき】
終局登記(本登記)申請をなすに必要な手続上の条件が備わっていないとき、権利の設定・移転・変更・消滅等の権利変動は実体上発生していないのですが、その請求権を保全しようとするとき、またはその請求権に始期または停止条件が付され、あるいは将来確定すべきものであるときに、将来なすべき本登記の順位をあらかじめ保全しておくときになされる登記をいいます。このように、仮登記の本来の機能は、順位保全を目的としたものですが、金融界においては、この制度が債権担保機能をもつことに着目し大いに
活用されるようになりました。 つまり、融資時に債権者は債務者の債務不履行にそなえて、債務者所有の不動産に対して代物弁済予約や売買予約と同時に停止条件付所有権移転、または所有権移転請求権保全の仮登記を行うことによって、債権を満足させようとするものです。この新しい担保方法は判例によって承認・整理され、さらに仮登記担保契約に関する法律として結実しています。仮登記は当事者の共同申請で行うほか、登記義務者の承諾書を添付すれば登記権利者の単独申請も認められ、また裁判所の仮処分命令によって行われる場合もあります。仮登記の効力は本登記の順位を保全する効力を有するにとどまり、仮登記にもとづく本登記の効果が仮登記をなした時点までさかのぼるわけではないし、また、独立して本登記のような対効力、登記請求権を有するものではないとされます。ただし、一部の判例では抹消登記請求や抵当権者に対する滌除を認めるものもあります。仮登記権利者の地位は譲渡し得ますが移転の主登記または付記登記をしなければ他に対抗できません。また、1個の不動産について同旨の仮登記が併存することも可能です。
加齢配慮【かれいはいりょ】
居住者が高齢になり、体の動きが不自由になったときでも暮らしやすいように考えられた家および設計のことをさします。例えば、トイレや浴室を広くつくり、その壁や廊下、階段には手すりが取り付けられるよう、壁内に芯材を入れたりすることを指します。このほか、段差のない床をつくったり、車椅子でも使えるようなシステムキッチンの設備なども加齢配慮のひとつです。
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